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二次創作小説置き場
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No.15
ジュヴナイル|魔人学園剣風帖
2025.12.10 No.15
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「相手を、よりときめかせた方が勝ち」
ある日、龍麻がそんなことを言い出した。
なに言ってんだこいつ。と思ったものの、不覚にもその直前、京一は敵の一撃を受けるところを龍麻に助けられ、ほんのちょぴっとではあるけれども、トキメいてしまっていたのである。
「ときめいたか?」
敵の攻撃を手甲で受けとめ、弾かれたところを龍閃脚で一撃粉砕した龍麻は、沼地に足を取られて不安定な態勢で剣を構えたまま固まっていた京一を振り返り、そんなことを言った。
「ア、アホッ、誰がときめくかッ!」
咄嗟に否定するけれども、ほんのちょぴっとでもトキメいてしまった為、僅かに勢いが削がれている。そのせいか、龍麻は余裕の表情ですいと一歩、京一へ近付いた。
「嘘つくなよ」
「嘘じゃねェッ!」
あくまでも認めたがらない京一。龍麻はそれでも笑みを崩さないまま、沼地に足を取られたままの京一へと手を差しだして、サラリと意味不明なことを言う。
「ま、悔しければ、それ以上に俺をときめかせればいいし」
「はぁ?」
どういう理屈だ、と京一が胡散臭そうに龍麻を見れば、ニッコリという笑みだけがそこに。見慣れすぎた嫌な予感を覚える笑顔に、あとずさろうにも沼地では上手く足が動かない。そして、逃げ腰になった京一の腕を差しだした手でガッチリと掴んだ龍麻は、表情を変えないままに京一を見つめ、口を開く。
「勝負しないか、京一?」
「勝負~?」
龍麻が挑んでくる勝負。そんなものがマトモであるワケがない。瞬時に経験から悟った京一だったが、しかし勝負と名がつけば引けないのが男というもの。少なくとも、蓬莱寺京一はそういう性質である。再び胡散臭い物を見る目を龍麻に向けたものの、その瞳の奥にはユラユラと負けん気の強い炎が。
「ああ、勝負。ルールは簡単」
だがしかし。京一が経験で瞬時に悟ったように、どうにも相手は緋勇龍麻なのである。
「相手を、よりときめかせた方が勝ち」
―――かくして、よくわからない内に、【ときめきバトル】が開催されることとなってしまったのだった。
「ときめかせるッたってよォ……」
実際には、こんなバトルに参加する義務なんてこれっぽっちもないのだが
「じゃ、決まりな」
なんて龍麻に笑顔で言い切られてしまえば覆すことは難しく。
「出来ないのか?」
なんて挑発されることは目に見えているし、勝負を挑まれれば男たるもの背を向ける訳にはいかねェ。などとも思うし。何より、不覚にも龍麻にときめいてしまったことが、京一のプライドと対抗心を刺激していた。
そんなわけで、このままで終わる訳にはいかねェと勝つ決意をしたはいいものの……はたして龍麻をときめかせるにはどうすればいいものか、見当もつかない京一なのであった。
そもそも、龍麻が自分に惚れてるというのは嫌というほど知っている京一だが、女らしい所など微塵もない自分の一体どこを龍麻が気に入っているのかが、サッパリわからないのだ。以前聞いてみたことはあるが、
「そんなの決まってるじゃないか。全てだよ、ス・ベ・テ♪」
などと抱きつかれつつ言われ、まったく話にならなかった。勿論その時は、きっちりと天地無双をくらわせておいたのだが……。
「ひーちゃんって……どーやったら、ときめくんだ!?」
一人頭を悩ませる京一。何より頭にくるのは、龍麻が余裕綽綽な顔をしていることだった。考えて見れば、龍麻は京一の好みを良く知っている。女の子の好みから、食べ物の好みまで。大抵のことは龍麻に話しているだろう。けれども、いざ逆となると―――これがまた、サッパリ分からないのだった。食べ物の好みは多少知っている。性格だって性質だって、これだけ(半強制も含む)一緒にいれば分かってはくる。けれども、肝心の恋愛事となると―――なにしろ緋勇龍麻はご覧の通りに蓬莱寺京一ラブな為、誰もその実物の京一以外の好みだとかは、全く分からないのであった。一見、京一に有利なように見えたこの勝負。だが蓋を開けてみれば、殆どの人が龍麻有利の票を出す始末だった。
「クソッ、俺はぜッてェときめかねェからなッ!」
龍麻の顔を恨めしげに睨みながら、そんなことを決意してみたりもする。いまだかつて、龍麻にときめいたりすることは殆どなかった筈。
「大体、龍麻のヤロウは俺に惚れてんだからなッ。ラクショーだぜッ」
と、自分にいい聞かせてみたりもするのだが―――意識してときめかせる、ということが分からないものには、仕掛けようもない。しかもこのことは、いつもの通り『緋勇龍麻と蓬莱寺京一をくっつける会』によって全校に知れ渡ってしまっている。いつも緋勇から逃げている蓬莱寺京一は、一体どんな手段で緋勇龍麻をときめかせるのか……。などと、期待を込めて観察されていては、何も出来ない。
龍麻は龍麻で、いつ仕掛けてくるか分からず、それにときめかないための心構えも必要だったりするので、開始当日から、京一はかなりへばっていた。
「わ、わからねェ……ッ」
頭を抱えて、ワシワシとかきまわし、ことの元凶の背中を睨み付ける。龍麻は呑気に雑誌なんかを見ていたりして、余計に京一のカンに触った。
「(クソッ、余裕ぶりやがって…ッ!)」
胸中で毒づいていると、突然に龍麻が振り返って目があってしまい、京一は焦る。何しろ、文句を列ねていたところだったので、なんだかバレたようできまずい。だがそんな京一のことなど露知らぬであろう龍麻は、ギクリと固まってしまった京一に不思議そうな顔をしている。しかも、どうしたものか分からず結局顔を背けてしまえば、何故か立ち上がってこちらへとやってきた。心配そうな顔で。
「な、なんだよッ」
きまずいまま、まるで威嚇するかのような京一に、しかし龍麻は気遣う顔を崩さない。気味悪がって思わず逃げ腰になれば、
「大丈夫か、京一?あの勝負、そんなにお前が嫌なら、気にしなくていいからな?」
なんて言ってくる。お前こそ、勝負中だからそんな無駄に紳士的なんだろ。と思ったけれども、それは言わないでおいた。何故なら、分かってはいても、嫌味でなくそんな風に……まるで告白される前の時のように振る舞われると、不覚にもときめいてしまうので。
「うるせェッ、ぜってェときめかせてやるからなッ、覚悟しとけよ!」
誤魔化すように叫んだら、龍麻は案の定してやったりという顔をして
「楽しみにしてるよ♪」
などとぬかすので、ムカつきついでに机の下から脛をけどばしてやった。
その時の龍麻の顔は見物だったぜ。とは、当然、京一の談。
―――果たしてこの【ときめきバトル】、どちらに軍配があがることやら……。
ときめきバトルの開始から、一夜開けた今日―――天気は快晴、風も気持ち良く、非常に清々しい朝が訪れていた。……の、だが。バトルの当事者・蓬莱寺京一はと言えば、気分はどんより、表情もらしくない程に思いつめたもので、天気にそぐわないことこの上ない。いつもならば、このバトルのことを知っている全校生徒達が朝の挨拶代わりとばかり、口々にからかうところだろうが、京一のあまりの様子に怖れをなしてか、珍しく静かな登校となっている。―――もっとも、遠巻きにされてはいても、確実に話題を独占してはいるのだが。
そんな状態の京一に声をかけられる人間は多くない。扱いに慣れている醍醐雄矢、桜井小蒔、美里葵。もう一人のバトル当事者である緋勇龍麻。―――そして、もう一人。―――そう、地面を睨みつけるようにして、ぶつぶつと何事かを呟きながら、鬼気迫る表情で歩く京一に声をかけるような、そんな命知らずな一般人が、たった一人だけいた。
「よーっす、蓬莱寺! 今日は思う存分ときめけよ☆」
毎度毎度、余計な一言に命をかけるクラスメートである。
「………ッ」
毎度のこと故に、対する京一も慣れたもの。どんよりと暗い表情のままの反射的な木刀一閃で、一瞬後には命知らずのクラスメートは地面に倒れ伏して痙攣していた。
「うるせェ」
さらにトドメとばかり背中に木刀を突き刺すようにすれば、ぐえと呻いたクラスメートだったが、なにしろ生命力だけは人間外。懲りずに弱々しい声ながらも、さらに余計なことを口走る。
「……だい、じょうぶだ……。今日は、お前の……ときめきメモリアル……ッ!!」
「………」
京一は無言で片脚でクラスメートの背を踏みつけ、一旦木刀を高く引き上げると―――再び、勢いよく彼の背中へと突き刺した。
「ぐがぁっ!」
最後に一声あげて、今度こそクラスメートは余計な一言を塞がれる。―――もっとも、そう長い時間をかけずに復活するだろうが。
ともかくも、それが二・三度痙攣を起こした後にぱたりと動かなくなったのを確認すると、京一は再び暗い表情で歩き始めた。
なにしろこの【ときめきバトル】は、今日も引き続き行われる。それを思えば、どうしたって顔が暗くなるのはしようがなかった。
―――しかも、京一は昨日。ほんのちょっぴりではあるが、ときめいてしまったのだから、蓬莱寺京一、一生の不覚である。
しかも、相手をときめかせる手段というのが皆目検討もつかない。
緋勇龍麻が蓬莱寺京一に惚れていることは、真神学園の全校生徒・教師、はては近隣の他校生や近所のおばさんに至るまで知れ渡っている事実である。しかし、その経緯というか、どういったところを、どんな風に好きになったのかを知っている者はあまりいない。いや、いるのだろうが、あまり参考にならない言動しか聞いた者がいないのである。
京一自身、龍麻は以前からそのようなことを言っていた記憶はあるが、ずっと冗談だと思って気にも留めていなかったので、正確にいつから言いだしたかは覚えていない。京一がようやく龍麻の気持ちを思い知らされたのは、9月の『緋勇龍麻・朝の大告白事件』の時なのだ。
京一からすれば、それは心底から寝耳に水で思いもよらないことであった為、龍麻が急変したようにしか見えなかった。そのせいもあって、未だに龍麻が自分のどこをどう好きになったのかが分からない。分からないから、当然、どうすればときめくか、など分かるはずもなかった。
一応、一般的な男女の例で考えてはみたものの―――そんなことは、恥ずかしいか気色悪いかのどちらかで、とても出来そうにない。
そうやって昨夜、延々と普段使わない脳味噌をフル回転させて作戦を練っていたのだが、結局は徒労に終わっている。得たものなど、眠気と睡眠不足による頭痛と苛立ちくらいのものだった。負けたくないという気持ちはあるのだが―――現在のところ、全くのお手上げ状態と言っていい。
しかし、考えてみれば京一は、別に龍麻をときめかせたいワケではない。むしろ、ときめかれると何かアレだ。要は勝負に負けなければいいのである。仕方なしに京一が立てた作戦とも言えない作戦は、至極単純で、消極的な―――
「こうなったら、ぜってー何があろうと、ときめかねェッ!!」
と、いうものだった。
別段そこまで意気込まなくとも、普通に生活している限りにおいて、京一が龍麻にときめくことなどない。少なくとも、龍麻が京一への燃え盛るラブパッションを惜しみなく晒け出すようになってからは。
しかし、緊張するなと言われれば緊張し、やるなと言われればやりたくなるというのが人間の不思議。意識してしまうことによって、結果、避けようと思っていた事態に陥ることはままある。
今の京一の身構えようからすると、龍麻が目の前に現れただけでドキリとしてしまいそうだ。それを「ときめき」と言うかどうかはともかくとしても、そうなり易い状況になってしまっていることは確実だろう。
自ら墓穴を掘っていることに気づいていない京一は、暗いながらも決意を秘めた表情で、一歩一歩、嫌々ながらに学校へと歩を進めていった。
「でもさー、どうやって《ときめき度》なんて測るの?」
三年C組の教室では、緋勇龍麻を始めとして遠野杏子・裏密ミサという『緋勇龍麻と蓬莱寺京一をくっつける会』の筆頭メンバーが揃ってバトルの更なる準備を進めていた。
その様子を半ば呆れ半ば感心しながら見守っていた小蒔は、首を傾げて教室後ろの黒板にピンク色の枠のついた電光掲示板を二つ並べて設置しようとしている三人に尋ねる。
そう。問題はそこである。
『相手を、よりときめかせた方が勝ち』
とは言っても、相手がどれだけときめいたかなど、見ているだけでは分からない。僅かな《ときめき》では外から見ていても分からないだろうし、例え激しい《ときめき》を感じていても、人によっては表情に出ない人間もいるだろう。勝敗がかかっているのだから自己申告はアテにならない。
ならば、どうやって対象者がどれほど《ときめき》を感じているかを調べるのか?
そもそも、《ときめき》の強さなどあるのだろうか。
が、しかし。
そんな当然とも言える小蒔の疑問に、緋勇龍麻は自信満々で答えた。
「心配するな。こんなこともあろうかと、裏密と共に密かに開発していたものがある」
「……ふぅん……」
一体この男。いつも何を考えて生きているのか謎である。ときめき度の測り方を用いる日が来ると思っている人間など世界に何人いるのだろうか。
何かツッコミを入れるべきか小蒔は一瞬迷ったが、どうせ何を言っても無駄な気がして相づちを打つに留める。正しい判断だ。
「ひょっとして、ソレがそうなの?」
小蒔が指を差したのは、龍麻たち三人が教室後ろの黒板に取り付け終わったらしい電光掲示板だった。龍麻が自信満々に胸を張って答えている間に、遠野杏子が更にその上に模造紙を張り終えたのが見えたのである。薄いピンク色の模造紙には、色とりどりのマッキーで丁寧に文字が書かれていた。
『恋するアナタの☆ときめきポイント』
「…………」
時たま、小蒔は疑問に思う。
『ひーちゃんて……本当は京一に嫌われたいのかなぁ……』と。
今や緋勇龍麻の蓬莱寺京一への愛情は誰も疑ってはいないが、それでもこういうものを目の当たりにすると、どうにもわざと嫌われるようなことをしているとしか思えなくなってくる。それとも本当にわかっていないのだろうか。それにしては回数が多いので、だとしたら京一を振り向かせることよりも諦めた方がずっと平和で早いと思うのは、友達甲斐がなさすぎるだろうか……。そんなことまで思わざるを得ない。
「ああ。この《ときめき測定マシーン・ときめきドキュン》があれば、対象がどれだけときめいているのかが分かるんだ」
どうやって……。
緋勇龍麻の言葉を耳に入れてしまった人間は、総じて同じ疑問を頭に浮かべたが、聞いても恐らく己の常識が崩壊し理不尽な思いをするだけだろうことが分かっていたので誰も問い掛けはしなかった。そんなことばかりに慣れていく自分に、時折ふと遠い目をしたくなる生徒もいたことだろう。
そしてシステムが不明すぎて怪しいことよりは些細な問題だろうが、蓬莱寺京一の耳に入れたなら、それだけで破壊されそうなネーミングも生徒達をぐったりとさせる。何故そうやって一々火に油を注げるのか。ある意味才能なのかもしれない。
「う~ふ~ふ~ふ~ふ~……。後は~京一く~んに、コレを飲ませればいいだけよ~」
更に。そう言って裏密ミサがマントの影から取りだしたのは、赤い飴玉のようなものが入った小瓶。
小蒔と、そして周囲にいたクラスメート達の視線がそこへ集中する。
「…………」
そして、ほぼ同時に彼等は天に祈った。
『蓬莱寺よ、安らかに……』
具体的に何がどうなるとは分からないが、少なくとも蓬莱寺京一にとって望ましくないことだけは確かだろう。
だが分かり切っていてそれを止める者は誰もいない。忠告や疑問を挟むには、どうにも相手が悪すぎるのだ。何しろ相手は緋勇龍麻であり、裏密ミサであり、遠野杏子である。もっとも―――幸いなことに、彼らの犠牲になるのは大抵の場合が蓬莱寺京一のみなので、あえて口を挟んで己の身に火の粉が降りかかるような愚挙を冒しさえしなければ、特に害はないのだが。『緋勇龍麻と蓬莱寺京一をくっつける会』の筆頭は、同時に学園内の『触らぬ神にたたりなし』な人間の筆頭でもあった。
「つまり、これを飲んだ人間の《ときめき度》が、この電光掲示板に表示されるというわけだ。分かりやすいだろ?」
得意げに笑う緋勇龍麻を前に、小蒔は曖昧に頷いておく。
《ときめき度》などというあやふやなものを、目に見える数字として表してくれることは確かに分かりやすい。だが、その分だけ仕組みが怪しいことこの上なかった。何故、薬を飲むと電光掲示板に《ときめき度》が表示されるのだろうか。こういう場合は、せめて機械を着けるとかではないのだろうか。薬と電光掲示板の因果関係はどこにあると言うのだろう。出来るというのなら説明してもらいたいものだ。彼らの中の『分かりやすい』という概念がそもそも他の人間と違うらしい。
小蒔がなんとも言えない表情で龍麻と電光掲示板を見上げていると、遠野杏子が先がハート型をした怪しげなコンセント(恐らく)を手に振り返る。
「龍麻くん、それじゃあスイッチ入れるわよ?」
「ああ、頼む」
龍麻はそれに頷いて答え、遠野杏子はおもむろに―――そのコンセント(多分)を、教室後方にあるプラグに差し込んだ。パッ、と電光掲示板の左側の枠内に数字が表示される。
『53』
数字を確認した龍麻と裏密は互いに頷きあい、
「よし、正常だな」
「大~成~功~」
などと言っていた。
「53って、どれくらいのときめき具合なの?」
数字が示されても、基準が分からないことには判断のしようがない。血圧と同じということはないだろうから、小蒔は数字を指さしながら尋ねてみた。
「平常時が50。今の俺はほぼ平常値ってことだな」
「ふーん。……じゃあ、最高値ってどれくらい?」
50が平常時とするのなら、大体100くらいだろうか。そう予想しながら更に問い掛けると、龍麻はやや考え込む風情で顎に手をあてる。
「そうだなぁ……特に決まってはないが……。人と時と場合によっては1000くらい行くこともあるんじゃないか?」
「……それって、どんくらいのときめきなの?」
「さぁ。さすがに1000となると、ときめいて死ぬくらいだと思うが」
「……それって、ときめきなの?」
「一応な」
さらりと事も無げに言ってのける龍麻を見上げ―――小蒔は、もう何も言うまいと、小さな溜息を落とした。
畳む
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